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内容(「BOOK」データベースより)
英国では、06年9月にベスト盤CD、生涯をたどるドキュメンタリーDVDと共に、
「 読むフレディ・マーキュリー 」 として、同じイラスト / 装丁で発売された本書。
この日本版には特別に写真を追加し、「 まるごと1冊フレ様のお言葉集 」 遂に登場。
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フレディ・マーキュリー自身の言葉を通して、彼の生き方や、心情、興味、音楽への愛着、等々を綴った一冊です。
これらの言葉は別々のインタヴューや記事から取り上げられたものですが、それを一旦バラして、大まかなテーマごとに纏めて載せてあります。
時系列ではなく、テーマごとに纏めてあるということは、一つのテーマを読んでいると、コロコロ意見が変わったり、あるいは反対の事を言ったりする場面も多く出てくるという事です。
特に、「 独り 」 という概念に関して、フレディ・マーキュリーは、その都度、考え方が変わる様で、ある時にはそういう時間が絶対必要だ、孤独を愛していると言っていたかと思うと、次のパラグラフには、「 独り 」 は絶対耐えられないという感想が見られたりもします。
約20年にも及ぶ期間の中で、その時々に感じたことをそのまま綴ってあるので、フレディ・マーキュリーが人間である以上、当たり前と言えば当たり前なのですが、一度に読むと、粗が目立って、彼が分裂症気味に見えてしまうのも確かです。
そこは、テーマ別とは言え、長い歳月の間での感想なのだと割り切って読まないといけないようですね。
音楽、友人関係、恋愛論 ・・・ インタヴューは多岐に渉って続きますが、一貫して彼が信じ続けた事は、自身の音楽への自信だったようです。
勿論、クラシック音楽ではありませんので、技量はどうかとか、天才かどうかなどという基準ではありませんが、ポップスの音楽家としての彼の自信には、揺るぎないものがあったようです。
常に、自分は最高のポップミュージシャンであると信じ、クイーンが最高のバンドであると信じ続けて歩んできた様子が良く分ります。
ところで、HIVについては、友人にそれで死んだ者が多く出てショックだと述べるに止まっています。
公表したのが自身の死の一日前であったので、それらのインタヴューには、自分とHIVについての関連を示す記述は一切ありません。
ゲイである事は、最初から大っぴらにしていますが、それはごく自然に受け容れていたようで、恋愛に関して人よりも多様性があるのだとあっさり語っていました。
きっと、そんな事より、音楽に付いてのインタヴューを続けて欲しかったのでしょうね。
音楽に関して、関係の無い、ゲイかどうかなど、彼には聞かれたくもない内容だったと思います。
読んでいると、フレディ・マーキュリーの音楽への愛着、殊にライブへの愛着が本当に強かった事が分ります。
晩年には ( 体調悪化で ) ライブが行えず、スタジオ・アーティストに徹さねばならなかった彼ですが、最後の方に書いた曲が、「 ショウを続けようぜ!」 だった事にも、何と無く頷けました。
この人は、心の底から、ライブが好きだったのでしょう。
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