英米の映画でよく見掛ける、誘拐犯と被害者の家族の交渉シーン。
予めピザ屋とか電化製品の修理サービスに化けて、被害者宅に
入り込んだ警察関係者が、慌ただしくモニターの用意をし
逆探知の手配を始めている ・・・。
機械担当者以外に、心理学を学んだ刑事も配備されるらしく、
それが、電話を取る手はずの家族に、アドバイスをしています。
「 いいですか、She ではなく、必ず名前を連呼して下さい。
一回一回、メアリーですよ! 犯人に無意識に思い出させるんです。
彼女という漠然とした存在ではなく、ずっと名前を呼ばれ、
家族に愛されてきた一人の人間だって事をね!」
この状況は欧米の誘拐テーマの映画に、必ずと言って良いほど
登場します。
きっと、如何にも常識的なことという水準なのでしょうね。
そう言えば、横田めぐみさんのお母さんも、米国議会での証言の際、
通常日本人が良くやる、「 うちの 」 「 あのこ 」 を徹底的に排除して
その都度、「 めぐみちゃん、めぐみちゃん!」 を連呼していました。
そういう事情に通じている人がアドバイスをしたのでしょうか。
また、名前で思い出すのが、自身の所謂 「 結婚適齢期 」 の経験。
バブル時代の絶頂期であり、男性が東南アジアの
「 メールオーダーブライド 」 を盛んに 「 買った 」 ( あくまで
日本男性の認識であり、入金は大半仲介業者が持ち去って
いたため、花嫁の側に、「 買われた 」 意識が無く、あとあと
トラブルの元となりました!) 時代でした。
女性にも、後にそうでもなくなって来ますが、当時、英米欧州の
男性との結婚に興味を持つ者が多く出て、「 国産花嫁の流出 」 が
ちょっと問題視されかかっていたものです。
御想像通り、某産業経済新聞もその現象を 「 女性の白人嗜好 」
として、激しく糾弾していました。
言って恥ずかしくない ( と本人が思っている ) 内容は、自社の記事や
社説として扱うのですが、「 それ以下 」 という意見も、まるで
「 当社に責任ございません 」 「 でも、当社は是非読んで頂きたい 」
とばかりに、投稿コーナーに盛んに紹介されていました。
その内容が酷くて ・・・。
中には白人の身体の一部が、いや、一部のみが大きいと
強調し、同朋の ( であるはずの!) 日本人女性が、ひたすら
その一事に引き寄せられてゆく ・・・ 勝手にそんな解釈をした上で、
自身の異様な解釈を大前提に、女性のレベルの低さ、徹底した
肉体的快楽優先の態度を罵倒しているものまで、数多く
載せられているという始末でした。
こんな状況ではありましたが、ブームが大きかったのか、自分の
身近にも、白人系の男性と結婚した知り合いが何人か出ました。
まぁ、事情も結婚後の居住地も様々だったのですが、その時、
結構高確率で聞いた話が 「 名前を呼ばれてね ・・・」 だったのが、
印象深かったですね。
今とは多少、日本男性の質も違う時代でしたが、彼女達には
「 父親以外の異性から、名前を呼ばれる 」 という事が、
初体験であったという人が多かったのです。
「 おい 」 「 こら 」 はまだ意味のある方で、顎をしゃくって
「 うんっ!」 或いは、苛立った 「 うがっ!」 と言うような息の音で
呼ばれてきた?という人が殆どでした。
それが、会った瞬間に名前を覚えてもらえ、以降それで呼び掛け
られ続けると、言葉が通じなくても、少なくとも、「 理解しようとして
くれているんだ!」 と嬉しかったそうです。
そりゃまぁ、向こうさんは全員が子供の頃からそう躾られてきた訳で、
ましてや日本国内で彼らと出会った人の方が多かったのですから、
メールオーダーブライド程ではないにしろ、勘違いもあったとは
思われますが、ま、それでもいっ時の甘い夢にはなった事でしょう。
そして、現在 ・・・
この人自身は、日本人で男性ですが、今彼が愛しんだ小さな女性が、
既に命を奪われている上に更に、人格を失い、社会からも
抹殺されかかっている事に対して、とうとう怒りの声を発しました。
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「 娘は2度命奪われた 」 広島・小1女児の父
(共同通信) 2006年 6月26日 (月) 12:30
広島市の小1女児殺害事件の被害者、木下あいりちゃん=当時(7つ)
の父建一さん(39)が26日、7月4日の広島地裁判決を前に、
広島市内のホテルで報道各社の取材に応じ「7歳の女の子に
性的暴行を加えることは拷問に等しい。
犯人は1度ならず2度命を奪ったようなもの。極刑は当然」
と死刑を求刑されたホセ・マヌエル・トレス・ヤギ被告(34)への
怒りをあらわにした。
「 性犯罪の抑止につながるのであれば、できる範囲で性犯罪の被害を
報道しても構わない 」 と述べ、性的暴行の被害も報道するよう求めた。
建一さんは、仏前に飾っているあいりちゃんの写真を持参。
あいりちゃんが匿名で報道されることについて
「 あいりは 『 広島市の小1女児 』 ではない。
あいりはここで生きてきた。実名を使って問題ない 」 と話した。
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木下あいりさん、貴女の ・・・ いや、貴方の一生は
短かったでしょうが、お父さんは、あなたを人間として
愛しておられたようですね。
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何だか、こんなの書いたところで、
良くて、「 米国では、誘拐だけは州越えしなくても、FBI の担当だ。
結局、お前は気がおかしいから、これを刑事と呼ぶ事しか出来ない!」
悪くすりゃ、「 右翼思想ですね。
他者の人権を蹂躙して楽しいですか?」 くらいしか、
感想を持ってもらえないんだけれどね! (。・_・。)