家賃滞納情報の共有構想が波紋 = 入居差別に懸念も
(時事通信) 2009年11月22日(日)15:03
入居者の家賃滞納状況などの信用情報をデータベース化する構想が波紋を広げている。
連帯保証を有料で引き受け、家賃の支払いが遅れると立て替える保証業者が計画しており、悪質な滞納者が見分けやすくなると利点を強調する。
一方、市民団体や有識者は 「 社会的弱者の入居差別に使われる恐れがある 」 と反対、対立が収まる気配は見えない。
保証業者 9社は 10月、「 全国賃貸保証業協会 」 を設立し、データベースの準備を始めた。
来年2月ごろから入居者の同意を得て滞納の履歴などを登録、将来は入居の申し込みがあれば業者が照会する仕組みだ。
参加は20社程度まで増える見通し。
一方、悪質な家賃債務保証業者の被害防止に取り組む 「 全国追い出し屋対策会議 」 は 9月、「 社会的弱者が民間賃貸住宅市場から排除されることにつながる 」 と抗議。
日本司法書士会連合会も 11月、同様の理由で構想の中止を求める声明を発表するなど、「 ブラックリスト化 」 を心配する声が出ている。
これに対し、保証業協会はきちんと家賃を払っている人の信用補完につながるなどと強調。
「 審査はデータベースの情報だけで決めない。決してブラックリストではない 」 として、構想推進の構えを崩していない。
ただ、業界側も一枚岩ではない。 11月には別の団体 「 賃貸保証機構 」 が発足し、参加業者はデータベース構想を批判。
生活の不安定な入居者への相談業務などに取り組むとして、同協会と距離を置く姿勢を見せている。
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大家と店子 (たなこ) の権利関係が不平等で、実情に合わないといった話は、以前の記事に載せました。
http://akilas.jugem.jp/?eid=709
大家側にとって、必要なデータベースである点も、ブラックリストになっても構わないという話もそちらに載せていますので、良ければお読み下さい。
ここでは、入居差別という考え方に対する意見を書くつもりです。
わたしは、もし仮に 「 入居差別 」 と言うものが有るなら、それは、次のようなケースを言うのだろうと考えています。
決められた家賃の支払能力があり、実際毎月キチンと家賃を納めているのに、外国人だ、とか、女所帯だとかいう理由で排除される。
若しくは、そういう所帯はリスクが高いと勝手に決め付けられて、割高な家賃を要求される。
・・・ 条件を満たしているのに、何らかの差別意識で、住む所に困る、こういったケースこそが、差別ではないでしょうか?
ところが、ここで 「 差別だ 」 として庇われようとしているのは、家賃を滞納する悪質な店子です。
一旦入居を許してしまうと、前回に述べたような理由で、中々追い出すことも叶わず、大家が一方的にダメージを受けることになるのです。
ダメージを受けると分かっている店子を抱え込むことが、果たして 「 平等 」 の精神なのでしょうか?
わたしには、とてもそうだとは思えません。
何故か現在の日本では、「 差別 」 という言葉が、葵の印籠か、オールマイティの免罪符のように捉えられているようですが、本来 「 差別 」 とは、条件が同じなのに、偏見や思い込みによって、誰かを排除しようとすることを言う筈です。
小学校の運動会で、「 差別を避けるため 」 と称して、カケッコに順位を付けないなどという馬鹿げた方針をとる学校があるそうですが、早く走れば、一等賞と褒めてもらうのは当然のことです。
一番前を走りながら、男女の生徒を分けて考え、2番目の男児を一等賞と決め、女児には、「 あなたは女子の一等だからね!」 とやらかすのは明らかに差別ですが、本当に一番前を走った児童を一等賞と呼んでやる事を躊躇う理由はありません。
家賃滞納者の場合にも同じで、明らかに要件を満たしていないものに、要件を満たした者と同じ権利を与える必要は無いと思います。
むしろ、前回に述べたような、権利の不平等に苦しむ大家・地主の多い中、データベースは作られて当然という気がします。
上の記事では、作り手は、ブラックリストであることを否定しているようですが、わたしは、はっきり、ブラックリストが必要なのだと思っています。
それで入居出来なかった人達については、国なり、地方自治体なりが、「 お助け小屋 」 でも何でも作れば良い話であって、一般人の大家にリスクを押し付けるのはお門違いでしょう。